エコサントイレ(2004年~2010年)

私たちは、ボリビアの公衆衛生および、生活環境の向上を支える活動を行っています。

ゴミのリサイクルや衛生概念の教育生ゴミのコンポスト事業や農業技術支援アマゾンの森林火災から生物を守り、森林保全を行う
技術支援を通して、現地の行政や市民が、問題意識を持ち、自律的な行動に繋がる人材育成、仕組み作りを行っています。

当会の紹介と活動の軌跡
ボリビア、日本での活動内容の紹介
ボリビアの文化や食べ物、人々の紹介

〜赤ちゃんの命を守りたい!〜

ボリビア人男性と結婚し、現地で子どもを出産した瀧本は、ある日自分の子どもの体調がよくないことに気づく。下痢が止まらず、自分の腕の中で弱っていく我が子。その原因を調べてみると、普段の生活で利用している「水」にあることがわかった。

トイレの無いこの地域で、人々は水辺の茂みや畑、森の中などちょっと身を隠せる場所に自由に用を足していた。これらの汚物が雨水や地下水を通じて川に流れだし、川の水を汚染することにつながっていたのだ。そして汚染された川の水を使うことによって腸チフス、アメーバ赤痢、コレラといった感染症によって村の住民、特に子どもたちの健康に大きな被害が出ていることがわかってきた。

「この地域でトイレのある家族はいくつあるのだろうか?」疑問を持った瀧本が行った30家族への聞き込みでは、わずか2家族しかトイレを設置していないことが判明。「トイレは必要である」と考えている人も多い一方で、貧しい経済状況からトイレを設置できない現状も明らかになった。

そこでDIFARが住民に提案したのが、“エコサントイレ”の設置である。

“エコサントイレ”とは、「手作りで建設できて、水もいらず、環境にやさしい」として知られるトイレのこと。構成員全員が「トイレは必要である」と賛同した家族からDIFARの技術協力の下、エコサントイレの建設が始まった。
トイレ作りの費用は一部住民に負担してもらう形でトイレ建設を進めたが、「自分たちで作れて、管理も自分たちででき、しかも溜まった糞尿をたい肥化して使用できる」と、エコサントイレの評判は次第に広まり、更に住民たちはこの機会を通じて、子どもたちの下痢の原因についてや、手洗いを行って病気を予防することについても学んでいった。

このプロジェクトは2008年までに500基以上のエコサントイレがサン・イシドロ川周辺に点在する集落に設置され、現在も地域の公衆衛生の向上に寄与している。

活動期間:2003年~2008年
プロジェクト実施規模:511家族
プロジェクト対象地域

・プルキナアリーバ村A地区・B地区
・モコモコ村
・カブラカンチャ村
・タンボ村
・バドオンド村
・サン・イシドロ村
・パリサーダ村
・プルキナアバッホ村
・サンフセデカッピージャ村