応援していただく皆様へのメッセージ
2000年~2年間 JICAの青年海外協力隊員としてボリビアに渡航し、暮らし始めました。
初めての途上国での暮らしは毎日毎日が驚きの連続と、だんだんと暮らしに慣れていく毎日でした。その中で家族でもない、ボリビア人たちから受けた暖かいもてなしを感じ、やっとスペイン語が分かり始めた頃に帰国となりました。
しかし、このままでは終わりたくない・・自分がやれることをボリビアでやれるところまでやってみたい!という気持ちに突き動かされてNGO活動を始めるに至りました。
自分が現地の人の話を聞いて、協力を行うなかでいろんな人たちの笑顔が生まれていくのを感じ、さらにパワーを貰う連続です。
今は大分改善されましたが、私がボリビアで活動し始めた時は水、電気、トイレがない地域も多く日本では考えられない生活をしていると感じ、トイレがないために不衛生状態の中で命を落としていく子供たちや、貧困を目のあたりにして自分にできることはなんだろうか、この人たちの毎日の安心が確保されて明日への希望が抱ける笑顔を見れるお手伝いがしたい、という思いでプロジェクトを続けています。
DIFARにかかわる人たち、日本国内で協力をしてくださる人たちも含め、笑顔になれる、お互いが寄り添い、よくなるお手伝いができる存在でいたいと思っています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
2019年初夏 瀧本 里子
代表 瀧本里子へインタビュー
2021 年 7 月「JICA とはたらく人に聞く!国際協力というシゴト」より
––これまでの経歴を教えてください。
滝本:実践型の農業を学び、その後アメリカやブラジルでの農業研修を経験し、親に勧められて23歳の時に青年海外協力隊に応募しました。ボリビアに派遣、と聞いたときはボリビアの場所がわからず慌てて地図を広げました。
「野菜」という職種で田舎の農業団体に派遣され、小学校の子供たちといろんな野菜を作っては一輪車でマーケットに売りにいったり、カボチャとスイカを接ぎ木して地元の人たちに見てもらったり、とにかく思いつくことを片っ端からやってみた2年間でした。小さな村で家族のように良くしてもらいその人たちへの恩返し、、という気持ちで協力隊が終わってNGOを立ち上げて活動を始めました。
現在はボリビアでのNGO登録団体となっていますが個人での活動期間を合わせると活動を始めて19年目になります。
––国際協力に興味を持ったきっかけは?
滝本:振り返ってみると、一番古い記憶は何かの番組でアフリカのやせ細った子供たちがヘリコプターから降ろされた食料に群がり、パンなどをむさぼり食べている映像です。その時ちょうど私も菓子パンが大好きで毎日食べていたので、毎日食べている菓子パンをアフリカの子供たちに持っていってあげたいな、、と強く思ったのが原点になっている気がします。
その後海外への強い興味と関心が後押しし青年海外協力隊の存在を知ったときは迷わず応募をしました。協力隊の前に研修に行ったブラジルで貧富の格差というのを目の当たりにし疑問や矛盾や、日本人に生まれたということを強く意識したことも国際協力の道に進むきっかけになったと思います。
––現在の業務にかかわるきっかけは?
滝本:協力隊終了後、ボリビアに戻りNGO活動を自分なりに続ける中で、現地の人の声などがだんだんと聞こえるようになり(それまでは自分がこれがやりたい!これをやったら良い!というのが強かった)職種や専門性を超えて、ボリビアの人たちが自分たちで社会課題を解決できるようにつなげる役割に徹しようと思い現在までやってきました。
ボリビアで唯一の日本NGO登録団体ということもありJICAの支援なども受け現地に必要なプロジェクトを行っています。
途上国は色々な課題がありますが、環境、教育、衛生などをテーマに活動しています。
––これまでの経験で現在の業務に生かせられていること、求められている能力は?
滝本:やはり現地で役に立つ技術や専門性を持つ、というのは大切だなと感じます。それは知識だけでなく実際に経験にも基づいた実用性のある技術です。現地の状況に適応し役に立つ技術ですが、それよりももっと大切なのは現地の人たちの声を聴き一緒に考えるという姿勢だと思います。
国際協力で支援する立場になると支援してもらう側は何とかたくさんの支援を取り付けようと必要のない事もYESと言っておく、という事が多々あります。現地の人たちと目指す形や目的を常に共有しそこに向かう為の手段として国際協力があると思うので国際協力をしている、という事に自己満足しないという事は大切だと思います。
––将来国際協力を目指す方へのメッセージをお願いします。
滝本:たまたま日本に生まれた私たちが、食べる事も寝るところも心配のない環境に育ち、途上国の現状を見て体感した時に「何とかできないだろうか」と気持ちが動くのはごく自然な事だと思います。
何かお役に立てるような技術を身につけてその技術が生かされるように現地の人たちと仲良くなれる人になりましょう。
また技術がなくても現地の人たちと仲良くなって一緒に生活が少しでも良くなるように寄り添うというのも大切な支援の形だと思います。